「ケトリング」について。

製パン豆知識

ケトリングとは簡単に言うと「パン生地を茹でる」工程のことです。

ベーグルを作る時に必ずこの工程があります。

もちろんベーグル以外でも茹でることで得られる利点を生かしたパンにも使うことができます。

ケトリングとは

「ケトリング」は焼成前に写真↑↑のように沸騰した鍋に生地を入れて、茹でる工程です。

パンを成型して2次発酵(最終発酵)の途中で生地を1~2分ほど茹でます。


茹でることでパン生地内のガスが膨張して膨らみます。



↓↓茹でてしっかり膨らんでいるところです。

写真↓↓を見てわかるようにケトリング前と後でかなり大きさが変わります。

ケトリングが終わったら、すぐにオーブンに入れて焼成します。

ケトリングの効果

ケトリングすることで得られる効果は2つです。

1、むちっとした歯ごたえがあるパンになる
2、艶がでて色づきが良くなり、表面がパリッとなる

1、むちっとした歯ごたえがあるパンになる

生地を茹でることでパン生地中のガスが膨張してパンが膨らみます。

ケトリング後、すぐに焼成をしますが、あまり窯伸びはしません。(焼成時にパン生地が大きくならない)

これは茹でることで生地に火が入り、発酵と膨張がほとんど終わってしまうからです。

そのため、焼成してもほとんど大きくならず火が入り、詰まったようなパンが焼きあがります。

また、パン生地中のでんぷんが熱いお湯(90℃前後)と触れ、加熱されることで分子が壊れ、糊化します。

そのでんぷんが糊化された状態で焼成して火が入ることで固化します。

この良い意味での「詰まり」と糊化のおかげで、歯ごたえのあるむちっとした食感になります。

2、艶がでて色づきが良くなり、表面がパリッとなる

ケトリングすることで表面のでんぷんも糊化します。

これを焼成すると、水分が飛び乾きます。

糊化された表面が乾くことによって、ケトリング後の独特な色づきと艶が出て、更にパリッとした食感になります。


ここでさらに表面の色付きやパリッとした食感を変えたりするために、「モルトや砂糖、はちみつ」などを水に対して1~2%溶かしておくことも多いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました