「油脂の4つ役割」について。

製パン豆知識



パンには大きく分けて2種類あります。

1、パン生地に油脂を使わないもの
2、パン生地に油脂を使うもの


油脂を使わない代表的なパンは「バゲット、カンパーニュ」や「ベーグル、ドイツのライ麦パン」などです。


油脂を使う代表的なパンは「あんパン、メロンパン」や「食パン、レーズンパン」などです。

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日本のパン屋さんやスーパーで売っている、ほとんどのパン(パン生地)には油脂が使われています。

逆にドイツやフランスなどのヨーロッパのパン(パン生地)には油脂を使わないものが多くあります。


パン生地に油脂を入れると、どのような効果が得られるのでしょうか。

今回は「製パンにおける油脂について」、少し深堀りしていこうと思います。

製パンにおける「油脂の4つの役割」

油脂には大きく分けて、4つ役割があります。

1、独特な風味をつける。
2、色味の改善をする。
3、伸展性をよくする。
4、硬化を遅らせる。

1、独特な風味をつける

これを「なんの油脂を使うか」によって変わります。

例えば、「バター、オリーブオイル」などは独特な風味がありますよね
それに比べて、「ショートニング、サラダ油」などは風味がほとんどありません。

また、「グレープシードオイル、ラード」は、オリーブオイルほどは強くありませんが、独特な風味が残ります。

このように、パン生地を練る際に、使う油脂の種類や量によって、独特な風味をつけることができます。

2、色味の改善をする

色味の改善とは、「バター、ギー、オリーブオイル」などに含まれるビタミンAの「カロテン」がパンの色味を改善してくれます。

カロテンとは人参やカボチャ、かんきつ類などの黄色の食べ物に多く含まれています。

このカロテンは黄色の色素なので、パン生地に練り込むことでパンの色味が良くなると言われています。

3、伸展性が良くなる

パン生地に油脂を練り込むと、グルテンをコーティングしてくれます。

この油脂がグルテンをコーティングすることで潤滑油の役割をして、生地の進展性が良くなります。

縦にも横に伸びるのでパンが「柔らかい、ふわふわ」という「感触、食感」は油脂が大きく関係しています。

また伸展性があるパン生地は、様々な形に成形できるので、「動物パン、ねじりパン、あみパン」のような複雑な形のパンを作ることもできます。

4、老化を遅らせる

そもそも、パンが硬くなる1番の原因は「水分が気化」してしまうことです。

焼き上がった、膨らんだパンの中には水分が含まれています。

この水分が時間が経つにつれ、蒸発(気化)するので、パンが硬く(硬化)なってしまいます。

そこで、油脂を入れることで、水分の蒸発(気化)スピードを遅くすることができます。

その結果、パンの硬化を遅らせることにつながります。

まとめ

以上が製パンにおいての「油脂の役割」です。

もちろん使う油脂の種類や量にもよって異なりますが、基本、油脂にはこれらの役割があります。

このような油脂の役割などを知っておくと、レシピを考える時や、人に教える時などに役に立つと思います!!

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