「3通りの材料の混ぜ込み方」について。

製パン豆知識

パン屋さんへ行くと、毎日、数十種類~数百種類のパンが店頭に並んでいます。

「あんぱんやメロンパン、クリームパン」などなど、たくさんありますが、それら1つ1つは、実は同じ生地から作っています。


中に入れるフィリングや形を変えて、たくさんの種類のパンが店頭に並ぶようにしています。


同じ生地を使って、たくさんの商品を作る方法は他にもあります。


それは、1つの生地に他の材料を混ぜ込んで違う生地を作る方法です。

例えば、プレーンの生地を作って、必要分取り分けて、そこへ「レーズン」を混ぜ込めば「レーズン生地」の完成です。

その「レーズン生地」を使って、「レーズンパン、シナモンロール、レーズンとクリームチーズのパン」などと多くのパンが作れます。


他にも、同じプレーン生地に「クルミ」を混ぜ込めば「クルミ生地」を作ることも出来ます。

「クルミ生地」を使えば、「クルミパン、クルミあんぱん、カマンベールとクルミのパン」などを作ることが出来ます。


このように、お店では1つの生地から何種類ものパン(商品)を作っています。


この「混ぜ込んで違う生地を作る方法」はとても便利で、幅広く応用が利きます。

「ドライフルーツやナッツ」などの固形材料以外にも混ぜ込むことも可能です。



「抹茶やココア、カレー粉」などの粉末材料や「水や油脂」なども後から混ぜ込むことができます。


1つの生地からプレーン生地に、チョコ生地、抹茶生地、など色も味も異なる生地が作れます。




1から(粉から)レーズン生地、クルミ生地をつくることもできますが、1つ1つ生地を作るのは時間がかかります。

なので、ベースとなる生地を多めに練って、そこから、「混ぜ込み」を利用して数種類の生地へと変化させていきます。


これは家庭でのパン作りにも利用できます。


家でパンを作る時に、1日に2つ、3つと異なる生地を練るのは大変ですよね。

1つベースとなる生地を作って、それに「何か他の混ぜ込んで違う生地を作る」方が簡単で早いです。


今回は「固形材料を混ぜ込む方法」を紹介します。

3通りの混ぜ込み方

基本、固形物の混ぜ込み方は3通りあります。

  1. ミキサーor手捏ねで混ぜ込む
  2. パンチで混ぜ込む
  3. 成形時に入れ込む

1、ミキサーor手捏ねで混ぜ込む

ミキシング後の生地を取りわけ、再度ミキサーに「生地と混ぜ込み材料を入れて、混ぜ込む方法」です。

手捏ねの場合は、作業台の上で生地と材料をカードやスケッパーを使って、混ぜ込みます。

↓↓ミキシングが終わった生地に混ぜ込み材料(ドライフルーツMIX)を加えます。

↓↓しっかりと混ぜ込みができているので、パンの外側にも内側にもドライフルーツMIXが散らばっています。

どんな時にこの方法を使う??

  • 生地量が多く、混ぜ込み材料も多い時
  • 多少、混ぜ込み材料が潰れたり、水分が出ても構わない時

2、パンチで混ぜ込む

これは「パンチ(ガス抜き)」というの工程がある生地で、そのついでに混ぜ込み材料を一緒に混ぜ込んでいく方法です。


バゲット生地や水分が多い生地などは1次発酵の途中でパンチという工程がよくあります。

「パンチ」とは生地を折りたたむようにして生地をつよくする工程です。

その折りたたむ作業の時に、混ぜ込み材料を加えて、一緒に折りたたんで混ぜ込む方法です。

↓↓パンチのやり方です(4辺を折りたたむように行います)↓↓

↓↓折りたたむたびに、混ぜ込み材料(レーズン)を加えていきます。

↓↓しっかりと混ぜ込みができているので、パンの外側にも内側にもレーズンが散らばっています。

どんな時にこの方法を使う??

  • ミキシング時間が少なく、パンチで生地を作る時
  • 混ぜ込み材料を潰したくないとき


3、成型時に入れ込む

この「成形時に入れ込む」に関しては、「生地に混ぜ込む」とは少し異なるのですが、「ドライフルーツやナッツを後から加える」という面では同じなので、ついでに紹介します。

↓↓成型時にナッツとチョコレートを巻き込むように入れていきます。

↓↓成型時に入れ込んだだけなので、外側にはナッツとチョコレートは出ていません。

どんな時にこの方法を使う??

  • 混ぜ込み材料をパンの外側に出したくない時(焦がしたくない時)
  • 生地1つに対して、混ぜ込み材料の数が決まっている時(例、アーモンド3つ、チョコ3片など)

まとめ

「3通りの混ぜ込み方法」を紹介しました。

3つとも、お店でよく使う「混ぜ込み方法」です。

全て違う特徴があって、生地の種類やパンチ(工程)の有無などで使い分けています。

味もそうですが、原価の事もあって、1つのパンにつき、○○を2つ、△△を3つ交互に入れるなど決まっているパンもあります。

そんな時は1、2番では対応できないので、「3番の成形時に入れ込む」を使います。

このようにお店では使い分けています。


家庭でパンを作る時にも、1日2、3種類の生地を作るのは大変ですよね。

しかし、「この混ぜ込み」を利用すれば、1つの生地から、多種類のパンを作ることができます。

家庭でも簡単にできるので、ぜひ使ってみてください!

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