プロも行っている「フィンガーチェック」の話。

製パン豆知識
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フィンガーチェックとは??

皆さん、「フィンガーチェック」という言葉を聞いたことがありますか??


パン作りは、生地を捏ねてから1次発酵→成形→2次発酵→焼成、のように工程が進んでいきます。

この1次発酵の際、生地の発酵具合を調べる(確かめる)方法が「フィンガーチェック」というものです。


パン作りにおいて、もちろんミキシング(生地を捏ねる)工程も大切ですが、「発酵」という工程はそれ以上に大切な工程だと私は思います。

なぜなら、どんなにいい生地を作っても、「発酵不足」や「発酵過多」になってしまうと、商品にならないこともあります。


家庭でのパン作りも同じことが言えます。

せっかく朝早くからパンを作ったのに、焼成したら、全然、「膨らんでいないとか」、「堅い、しぼんだパン」ができてしまった。など。。

そんなことを経験したことはありませんか??
(もちろん、「発酵の失敗」だけが原因とは限りませんが。)



パン作りにおいて、一番時間のかかる工程は「発酵」です。

粉から練ってパンを焼成するまでに3~4時間くらいかかります。
そのうち、約1、5~2時間と半分以上の時間は「発酵」もしくは「生地を休ませる時間」です。


そのため、「発酵を見極める」というのはすごい大切な事です。


フィンガーチェックの仕方と見極め方

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「フィンガーチェック」はその名の通りで、「指でチェックする」「指で調べる」という意味です。

パン生地に「指をさして、抜いた後に残る、穴を見て」判断します!!


そして、「フィンガーチェック」をするときに注意することは「指に粉をつける」ということです。

粉をつけていないと、生地に指をさして、抜いた時に生地が指にくっついて穴がふさがることがあります。

残った穴の状態で発酵具合をチェックするので、きちんとチェックすることができません。

なので、「指に粉をつける」ことを忘れないでください!!




[写真1]

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[写真1]で発酵チェックの際の3つの状態について書いています。


まず写真左の「不足」から見ていきます。

「発酵が不足している状態」とは、「まだ生地が膨らんでいる途中」という意味です。

つまり、この段階では「まだこれから生地が大きく膨らむ」ということなので、「生地がぎゅっと縮こまっている」とか「生地がまだ詰まっている」ような状態をイメージしてください。

なので、「フィンガーチェック」で指をさして抜いた時の「穴はすぐに戻ります」!!

次に写真右の「過多」を見ていきます。

「発酵過多の状態」とは、「適切な発酵状態から過ぎている」、「やりすぎ」という意味です。

なので、「フィンガーチェック」で指をさして抜いた時の「穴はしぼんでいきます」!!


パン生地が発酵すると「ガスが発生します。」そのガスがパンを大きく膨らませます。
「発酵過多の状態」だと、「そのガスを保持できない」ので、しぼんでいきます。

最後に写真中央の「適切」を見ていきます。

「発酵が適切」の状態とは「生地がしっかりと膨らんでいる」、「そのパン生地にとって適切な量のガスを含んでいる」という意味です。

「生地にハリがあって」、「ガスをしっかりと保持できる力」があるので、「フィンガーチェック」で指をさして抜いた時の「穴はゆっくりと戻っていきます」!!

「じわぁ~」と穴が戻っていくのがベストな状態です!

まとめ

以上が簡単にですが「フィンガーチェック」の仕方と見極め方です。


基本どんな生地でも、発酵の見極めとして「フィンガーチェック」を行います。

「発酵」というのは、「パン生地の捏上温度」、「発酵機内や室内の温度や湿度」、「容器の大きさ」など、様々なことを注意しなければいけません。

しかし、どんなに良い環境で発酵させることができても、「発酵不足」や「発酵過多」で次の工程へ進んでしまうと、きれいでおいしいパンを焼くことができなくなることもあります。


「フィンガーチェック」は原始的なやり方ですが、プロも使う技なので、皆さんも家でパンを作る時に試してみてください!!

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