今回は自宅で一度作った自家製天然酵母を「腐らせないで、何年も使い続ける方法」についての雑談です。
果物や野菜、ライ麦などで作った「自家製天然酵母」を作って、パンを焼いたことがある人に聞きます。
今現在もその「自家製天然酵母」はありますか??
ずっと使い続けていますか??
おそらく、半数ぐらいの人は「捨てた」もしくは「使い切った」と答えると思います。
気持ちはわかりますが、それはもったいないです。
自家製天然酵母でパンを作るには、多くの時間や行程がありますし、また、たまにしか、パンを作らない人にとっては「捨てるor使い切る」しかないです。
基本、天然酵母は数日で発酵力が弱くなり、嫌な酸味が出てきたりします。
このような状態になってしまったら、そのままでは天然酵母パンを作ることはできません。
パン屋さんでは、毎日、天然酵母を使うので、「捨てる」ことは絶対にありません。
しかし、家庭では1か月に数回くらい、もしくは1回あるかないか、くらいの頻度だと思います。
せっかく、果物や野菜、ライ麦などで作った「自家製天然酵母」を数回使っただけで捨ててしまうのはもったいないので、「捨てなくても良い方法」を紹介します。
私はこの方法を使って、もう1年以上は「腐らせない&捨てない」で「自家製天然酵母」を保存しています。
そして、1か月1回ぐらいは「自家製天然酵母パン」を焼いています。
そのやり方は超簡単です。
以前、「リンゴの液種」を作った後に「種次ぎ」という工程をしました。
「リンゴの液種→種次ぎ→パン作り」
この「種次ぎ」を2~3週間に1回するだけです!!
ええ、??
それだけ・・って思いましたか??
そうなんです!
本当にその「種次ぎ」を2~3週間に1回行うだけで、「自家製天然酵母」をず~と使い続けることができます。
天然酵母は老舗店のおでんやラーメンのスープや汁と同じで、継ぎ足し使うことができるものです。
そして、継ぎ足し使うことで、自分だけ(そこのお店だけ)の味が出せるようになります。
↓↓リンゴの液種の作り方↓↓
↓↓リンゴ液種の種次ぎ方法↓↓
レシピ

※元種は「液種を粉と水で種次ぎをしたもの」を言います。
工程
1、使う道具をすべて熱湯消毒or煮沸消毒する
正直、煮沸消毒をする方が確実です。
しかし、煮沸消毒をするには時間もかかりますし、なんせ、使う道具を選ばなくてはいけません。
今回、私が家庭で種次ぎをするにあたって、大切にしていることの1つは「少ない手間」です。
なので、電気ケトルやポットで沸かしたお湯をかけるだけの熱湯消毒をおすすめします。
私自身、お店で天然酵母を扱っていた時も、鍋で沸かしたお湯をかけるだけの熱湯消毒をしていました。
それで、「天然酵母がダメになった」ことはありません。
(※汚い手や布巾などで触れるとダメになる可能性があるので注意!!)
家にアルコールがある人は、熱湯消毒後にアルコールを吹きかけるとなお良いです。

2、全ての材料をボールに入れて混ぜる
ボールが30℃以下になったら、すべての材料を入れて混ぜます。
※熱湯消毒をしてすぐのものは表面温度が高くなっています。
温度が高すぎるところに天然酵母を入れるとせっかくの菌が死滅してしまうことがあります。
↓↓すべての材料をボールに入れます。

※元種は冷蔵庫で長時間保存していると、表面が乾燥していたり、水が浮いてきてしまうことがあります。
そういった乾燥している部分や水は捨てて、出来るだけ元種の真ん中の方を使うようにしてください!!
表面に「艶」が出るまでしっかり、練って(混ぜて)いきます。
↓↓練り始めは、「ぼそぼそ」したような「粗い」表面です。

↓↓表面に「艶」が出てきました。
このくらい表面に「艶」が出てきたら終了のサインです。

3、元の容器に戻す
艶が出るまでしっかり練ったら、元の容器に戻します。
新しい容器に入れることもできますが、やはり、菌が付着している元の容器の方が、発酵しやすいです。
それに毎回同じ道具や入れ物を使うほうが、ミスが少なくなりますし、もし、何か起きた場合、原因を突き詰めやすいですね。
↓↓元の容器をそのまま使います。

↓↓元の容器に入れます。

4、2~2.5倍の大きさになるまで発酵させる
27~28℃くらいの場所で発酵させます。

大体、2~2.5倍の大きさになったら、OKです。
※パンに練り込む場合は、もう少し発酵させてから使いますが、保存目的ならこのくらいで十分OKです。
また、冬場で温度が低い場合は、暖房が聞いた部屋などで、発酵させて構いません。
発酵に時間がかかってもOKです。
5、冷蔵庫で保管する
発酵したら、後は冷蔵庫で保存しておくだけです。
以上で「種次ぎ(リフレッシュ)」の終了です。
まとめ
この「種次ぎ」の工程を2~3週間に1回繰り返すだけで、ず~と「自家製天然酵母」を使い続けることができます。
今回の種次ぎ/リフレッシュの配合(ベーカーズ%)を変えてもOKです。
皆さんが家で作った自家製天然酵母の「固さ(粘度)」によって水分量を上下させることもできます。
また、粉も今回は「強力粉」のみを使用していますが、「ライ麦、中力粉」などに変更してもOKです。
冒頭でも少し書きましたが「自分だけの味」、「自分だけのパン」を作るには「継ぎ足し」使うことも1つの要素だと思います。
「同じレシピ、同じ工程を真似しても、なぜか同じ味にならない」ことってありますよ。
それは、もちろん、ものにもよりますが、「そこに費やしてきた時間や年月」というのもあると思います。
種次ぎ(リフレッシュ)後のパン作りについて
冷蔵庫で保存している「自家製天然酵母」は2~3週間に1回ほど「種次ぎ(リフレッシュ)」をすれば、腐らせることなく、保存することができます。
では、この保存している「自家製天然酵母」を使ってパンを作るにはどうするのかというと。
パン生地を作る前に2~3回ほど、連続で「種次ぎ(リフレッシュ)」をしてから、パンを作ります。
2~3週間に1回しか「種次ぎ」をしない目的は「保存」です。
しかし、しっかり膨らんだおいしいパンを作るには「元気な自家製天然酵母」を使う必要があります!
2~3回連続で「種次ぎ」をすることで「発酵力が強くなり、嫌な酸味なく」美味しいパンを焼くことができます。
※この時、自家製天然酵母を少し残すことを忘れないでくださいね。
残った自家製天然酵母は「再度、種次ぎ」をすれば、ず~と使うことができます。
うちでプロぱんポイント
・ライ麦天然酵母
今回紹介したのは強力粉だけのレシピでしたが、「ライ麦や全粒粉」などを使うこともできます。
↓↓自家製ライ麦天然酵母です。

天然酵母にライ麦を配合すると、酸味が強く出てきます。
ドライフルーツが入ったハード系のパンや「パストラミやスモークサーモン」などの少し癖のある「ハムや魚、肉」などを使うサンドイッチ用のパンにもおすすめです。
↓↓「種次ぎ」はいろいろとアレンジできるので、参考にまで。

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